内積は 、成分では を用いる。2 つのベクトルが直交することは内積が になることと同値である。
1. ベクトルの直交条件
問題 とするとき、次の各組のベクトルが直交するように実数 の値をそれぞれ求めよ。
(a) (b) (c)
解答 よく使う値を先に計算しておく。
(a) より
(b) だから
(c) より 、
2. 中線定理と内積の等式
問題 を 2 つのベクトルとするとき、次の等式が成り立つことを証明せよ。
(a)
(b)
解答 を用いる。
(a) 2 式を加えると内積の項が消えて
(b) 2 式を引くと
3. シュワルツの不等式
問題 ベクトル に対して、シュワルツの不等式 を証明せよ。ここに左辺は内積 の絶対値を表す。
解答 のときは両辺 で成立する。 とする。任意の実数 に対して
が成り立つ。これは についての 2 次式で、すべての で だから判別式は :
両辺の平方根をとって
4. 等号 が成り立つ場合
問題 が成り立つのはどのような場合か。
解答 なので、 は 、すなわち を意味する。したがって
- が同じ向きのとき(一方が他方の正のスカラー倍、)、
- または の少なくとも一方が のとき
に成り立つ。(絶対値つきの等号 は「平行(同じ向き・逆向きのいずれか)」で成り立つが、絶対値なしの場合は同じ向きに限られる。)
5. 正三角形と 3 等分点
問題 1 辺の長さが である正三角形 において、 とし、辺 を 3 等分する点を とする。
(a) の値を求めよ。
(b) を で表して、 の値を求めよ。
解答
(a) 、 のなす角は だから
(b) の向きに と並ぶ。 の位置ベクトルは 、 は だから
6. 直角三角形の垂線の足と内積
問題 直角三角形 において、直角をはさむ 2 辺 の長さがそれぞれ であるとする。 から斜辺 に下した垂線の足を とするとき、内積 の値を求めよ。
解答 座標を にとる。 は 上の点で 。、 として
よって となり
7. 平行四辺形の面積(内積による表示)
問題 を でない 2 つのベクトルとし、 とする。 を 2 辺とする平行四辺形の面積 は
で与えられることを証明せよ。
解答 のなす角を とすると、平行四辺形の面積は 。したがって
根号内はシュワルツの不等式より なので
8. 平行四辺形の面積(成分表示)
問題 とすれば、 を 2 辺とする平行四辺形の面積 は で与えられることを示せ。
解答 問 7 の式に成分を代入する。
展開すると(ラグランジュの恒等式)
したがって
9. 座標で与えられた三角形の面積
問題 3 頂点の座標が である三角形の面積を求めよ。
解答 頂点 を基点にとると
三角形の面積は平行四辺形の半分だから、問 8 より